絵本作家のシェル・シルヴァスタインの作品『ぼくを探しに(The Missing Piece)』
この絵本は1976年に出版されてから今なお、子どもから大人まで幅広い年代に読まれている1冊です。

私のこの絵本との出会いは、ピースボート100回クルーズ乗船者の絵本朗読会でした。
ピースボートの船内では自主企画として、自分がやりたいことやイベントを企画して実施することができます。船内で知り合った方が自主企画で絵本朗読会をすると教えてくれたので、時間を合わせて参加しました。すでに多くの方が集まっていました。
絵本の朗読が始まり、みんな聞き入っていました。
そして、私は終わるころには泣いていました。
まさか絵本で涙するとは自分でも驚きましたが、そのときの自分にすごく響いたのです。

そのとき自分が置かれている状況で響くものは全然違うと思います。
船では自分と向き合える時間がたくさんあり、「自分とは何なのか」「自分らしさとは何なのか」を何度も考えていました。
何かが足りない。それで「ぼく」は楽しくない。
足りないかけらを探しに行く。
私が旅に出た理由の1つにはこれがあったと思います。
でも、この絵本に「自分は自分のままでいいんだよ」と言ってもらえたような気がしました。
きっとそれで涙が出たんだと思います。
それぞれの見方・考え方でさまざまなことを感じ取れる素敵な絵本なので、日々の生活に「なにか足りない気持ち」を感じている人にもぜひ読んでほしい1冊です。
あらすじ
主人公の「ぼく」は表紙にも描かれているマル。ただし一部が欠けていて、完全なマルではありません。この「ぼく」が歌い、転がりながら、その欠けた自分にぴったりはまる「足りないかけら」を探しに行きます。時には立ち止まってミミズとお話したり、花の香りを嗅いだり、カブトムシと追いかけっこしたりしながら。旅を続けるうちにさまざまなかけらに出会う「ぼく」は、やがて自分にぴったりのかけらを見つけるのですが…。果たして足りないかけらを埋めた「ぼく」が見つけた「楽しい何か」とは何だったのでしょうか。
また、続編として『はぐれくん、おおきなマルにであう(The Missing Piece Meets the Big O)』が出版されています。
あわせて読んでみてください!
最後に、朗読会を主催してくれたYuliさんがYouTubeに動画をアップしておられますので共有しておきたいと思います。
船内での朗読会の様子でないのが残念ですがぜひご覧ください。
コメント
私にとって最も大好きな絵本の1冊であるこの作品に、一緒に感動してもらえたことと、このステキなブログで私の朗読動画までご紹介くださったことに深くお礼申し上げます。
ミズカさんとピースボートのレストランや甲板で語り合ったあの日々を懐かしく思い出します。この絵本の最後でどんなメッセージを受け取るかは人それぞれ異なるでしょうね。
ミズカさんの「自分らしさとは何か」を探求したい気持ち、そして「自分のままでいい」に至る心の成長を聞けて嬉しいです。
私個人的にはこの絵本は【本当はどこか欠けているから埋めないと不幸せ、というわけではないけど、それでも、さらなる驚きや感動を求めて未知の何かに向かって冒険し続けていい】という自分への優しい勇気付けとなりました。
絵本にあるように、時には壁に激突したり、深く落ち込んだり、期待した相手にガッカリさせられたり等、豊かな失敗を重ねながらも、かけがえのない体験に満ちあふれた生き方をお互いこれからも味わい尽くしましょう!