2019年2月9日 9寄港地目(9/17寄港地)
世界三大美港のひとつにも数えられる美しい港町、リオデジャネイロ。
山と海との間に造られた文化的景観が世界遺産に登録されています。
世界で最も貧富の差が大きい国のひとつであるブラジル。
治安がよくないため、何かあっても抵抗しないように注意喚起されていました。
ヨーロッパのように知らない間に盗られてしまうスリではなく、
抵抗したら怖い目に合うという脅しがあるというのはなかなかビビりました。
ここでは安全も考慮して、『カリオッカの子ども・若者に出会う』ツアーに参加しました。
「人生を楽しむ天才」とも言われるカリオッカ(リオっ子)たちに出会えるのがとても楽しみでした。
訪れたのは、サンマルチーニョ慈善協会の施設です。
この団体は、高い失業率や不安定な生活により、アルコールやドラッグへの依存、家庭崩壊や暴力を振るう親から行き場をなくした子どもたちを守り、社会復帰へのサポートをしています。
ストリートチルドレンになる背景としては、家庭問題、育児放棄、ドメスティックバイオレンス、犯罪、薬物、家出、無職などがあります。
家庭崩壊により家に帰らなくなると悪い仲間に誘われ、犯罪に手を染めてしまうという子どもたちもいます。
そんな子どもを見つけたら声をかけて歩み寄り、保護するという活動から始まった団体です。
今は、起業家や政治家による寄付だけで成り立っているそうで、
職業の紹介も行っており、社会復帰へのサポートもしっかりあるようでした。
施設の説明を聞く中で、「夢は見るものではなく叶えるもの」と言われたのがとても印象的でした。
文化交流で折り紙や習字を一緒にしました。
そして、ダンスや楽器を教えてもらって楽しみました。
人懐っこい子もいましたが、シャイな子が多かったような気がしました。
そして、サンマルチーニョ慈善協会とピースボートで募金を集めて造られたサッカー場でサッカーも楽しみました。
この施設のあるファベーラ(スラム地区)は危険地域とされており、安全な環境でボールを蹴って楽しむこともできない子どもたちがいました。
そんな子どもたちに『安全にサッカーを楽しめる場所』を造ることを目標に造られたそうです。
そして、衝撃的だったお話がもうひとつありました。
1993年に起こった、カンデラリア事件です。
この事件は、カンデラリア教会の前で寝ていたストリートチルドレンが警察官によって次々にライフル銃で射殺されるというものでした。
10人中8人が亡くなり、2人が重傷を負ったそうです。
当時はこのような路上生活をする少年や犯罪行為に走る少年たちが問題視されていたこともあり、路上生活者への取り締まりを名目とした警察官の暴力行為があったそうです。
この教会の前には十字架が建てられているのですが、リオデジャネイロオリンピックの際に見栄えが悪いということで一度撤去されました。
しかし、住民からの反発があり、また元に戻されたとのことでした。
そして悲しいことに、後の2000年に起こったバスジャック事件の犯人が、カンデラリア事件の生き残りの子どもの一人によるものだったということです。
このバスジャック事件は「BUS174」というタイトルで映画化もされています。
ストリートチルドレンだった男性。
自分が傷ついた事件から7年が経ち、自分も犯罪に手を染めてしまうというのは社会で考えなければいけない問題だと思います。
格差のない社会を実現するのは難しいのかもしれませんが、
みんなが安心して家の中で寝られるようになったらいいのにな。
モヤモヤする気持ちを切り替えて散策へ。
セラロンの階段があるラパ地区は観光客で賑わっていました。
階段には世界中のタイルが貼りつけられていました。
石畳で坂の多い道を歩くのは少し疲れました。
港周辺の街中もアートであふれていて素敵な場所でした。
次はカーニバルが見たい!
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